ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

ピクミンブルームと中年男性と再開

ぼんやりしているうちにMeta Quest 2が8月から大幅値上げになってしまったということについて先日書いたが、Meta社自体も四半期で初の減収との発表があった。世界的な景気後退の波に飲み込まれている形だが、それなりの値段のハードウェアを購入しないと楽しめないVR路線のメタバースってのはこの局面では厳しくなるだろうな。

そういうのとはぜんぜん文脈の違う話だが、ジョン・ハンケも「メタバースはディストピアの悪夢」と言っているわけだし、ここはやはりVRヘッドセットに金をかけるのではなくナイアンティックの位置情報ゲームをプレイすべきということなんだろう(ちがうけど)。

……というわけで、いや別にそういうわけではないんだけど、盆休みを機に、しばらく離れていた『ピクミンブルーム』を再開した。

離れているうちにいろいろ細かなUIの使い勝手が良くなっているんだなと思ったが、相変わらず課金導線がえらく細いというかこれでちゃんと商売をするつもりなんだろうかという疑問を感じる。感じるんだが別にそれはどうでもいい。そういう話じゃないんだ。なんかレイドミッションみたいのも追加されたので、よければフォローしてくださいまし。

 

Switch用コントローラー GAMESIR T4 MINI を特に必要もないのに買う

youtu.be

たまたまYouTubeで時間を潰しているときに見たこの動画と、同じ人によるBlog記事を読んで、すっかりこの GAMESIR T4 MINI というSwitch用ミニコントローラーを気に入ってしまった。小さくてスケルトンで、そして今どきのゲーミングガジェットらしくびかびかいろんな色に光る。さらに言えばこのGAMESIRが香港のメーカーであるというところもこういうオモチャおもちゃしたガジェットではなんか好ましい。個人的には。

とはいえSwitchではプロコンも持ってるし、3人以上でのローカル対戦プレイなんかまずしないのでぶっちゃけ必要なものではない。ないのだが……Xbox ワイヤレスコントローラー(エレクトリック ボルト)を買って以来、おもちゃ味(み)というか稚気あふれる種類のゲームガジェットに対するガードの低さというのがちょっとあって、必要なくても買ってしまおうかなーという気分の高まりを抑えられないのだった。コントローラーとしては安いほうだしね。

こういう気持ち、そういえば昔もちょっとあったな。

 

そんなわけで GAMESIR T4 MINI、普通に家電量販店の店頭でも売っていてサンプル展示もされてたりするので、実際に触って確かめてやっぱりなかなか良かったので買った。カラーはホワイトとブラックの2色展開だが、俺はブラックを買いました。こんな感じ。

 

 

良いねー。まずサイズ感がいい。プロコンよりひとまわりくらい小さいんだが、全体的にすごく丸っこくて両手にたいへん収まりがいい。なんかこう、河原で拾ったちょうどいい大きさの石みたいな感じだ(どんな例えだ)。質感も滑らかかつ(梨地までいかないくらいの)マットな表面処理で、それがより「川で上流から流されてきて丸くなった石」を想起させる。石に例えても別に伝わりやすくはならないと思うが……。軽いし。じゃあ軽石か。余計伝わらないな。

そんで肝心のLEDだが、完全なクリアパーツではなくカバー内側にスモーキーな処理をしているおかげで光が「ビカー!」ではなく「ぽわー……」とか「スーッ……」って感じで広がるので(45歳とは思えないオノマトペ表現だ)、なんつうの、なんかこう、いろんな色で光るけど下品ではないというか、むしろ上品、なんなら大人っぽい、冷たい夜の雨に濡れたアスファルトに映るネオンの光みたいな感じで、香港のメーカーということもあってこれはむしろサイバーパンク・ネオン・ノワールなアトモスフィアーを醸し出しているイキフンがある。とても良い。

というわけでまとめると、サイズ感&質感は「河原で拾ったいい感じの石」、実際に使ってるときのフィーリングは「サイバーパンク・ネオン・ノワールに出てくるアジア系の謎めいた娼婦(ミラーシェードで髪は紫に染めたボブ、剃り上げたうなじにバーコードのタトゥー)」という感じのコントローラーでした。いいよこれは。

GameSir T4 Mini ゲームパッド Windows PC / Android / IOS/ Switch用ゲームコントローラー bluetoothワイヤレスコントローラー 有線と無線両用モバイルゲームコントローラー 約10時間使用可能 二重振動 TURBO連射機能付きPCゲームコントローラー HIDゲーム対応AndroidコントローラーApple ArcadeMFiゲーム用iOSゲームパッド

あらかじめ失われたメタバースたちよ

www.itmedia.co.jp

 米Metaは7月26日(現地時間)、スタンドアロンVRヘッドセット「Meta Quest 2」の値上げを発表した。128GBモデルは現在の3万7180円から5万9400円に、256GBモデルは4万9280円から7万4400円にと、それぞれ2万円以上の値上げだ。8月1日からこの価格になる。

 

6月半ば頃にいろいろ思い立ったり懐に余裕が出てきたりして、そろそろQuest 2買うかーという機運が自分の中で高まった。

ちょっと発売から時間が経ってしまったし、このタイミングなら次のモデルを待ってたほうがいいのかもなと迷っていたのだが、いやこれは「今」の自分への投資なのだ! そんでVR chatでメタバースでNFTですわ。会社の偉い人にもレクしますわーみたいな感じにブチ上がったのだ。ちなみに最近の文脈では「ですわ」というとお嬢様だが、ここでは関西の押しの強いおっさんをイメージしている。どうでもいい。

ブチ上がって、6月中に買ってやるわいと思っていたものの……なんかボーッとしているうちに刻は過ぎ去り、気が付いたら7月も末になってて、それで27日の午前2時、寝る前にTwitter見てたらさっきのニュースが目に入ってあちゃーっとなった。速攻で各種ネットショップを見てみたが当然ながらもう品切れ。思い返せばこのニュースの2週間前くらいに、最近Quest 2が品切れ傾向……という話をネット上で観測していたのだった。動くならあのときが最後のチャンスだった。

まあ2万以上の値上げだとさすがになーという気分になるので、俺はQuest 2を買うことはないだろう。VR chatをぺろーんと舐めてメタバースについて上司に一席ぶつことで何らかの評価を上げるという未来も失われた。出世の道は閉ざされた。哀しいね。Quest 3を待つかー。でも来年以降だよね。そうなるとPS VR 2とも被ってくるんだろうしなあ。

しょうがない。PS VR用のゲームでいくつか積んでるやつもあるから、まずはそれを消化していこう。

 

『Gears of War』の「Mad World」トレーラー

トップガン マーヴェリック』(レビュー)の監督であるジョセフ・コシンスキーはゲーム『Gears of War』の大人気トレーラーにてキャリアをスタートさせている。この事実は以前の記事でも書いてあり、有名な話である。

『トップガン マーヴェリック』の監督はゲーム『Gears of War』の大人気トレーラーでキャリアをスタートさせた

なんか各所で絶賛されている『トップガン マーヴェリック』だが(俺はまだ見てないよ←後日追記:見た。感想を雑多Blogのほうに書いたよ)、監督のジョセフ・コシンスキーはギアーズの「Mad World」トレーラー作った人だったのか! 知らなかったよー。大作ゲームで(実際のゲーム内容と直接的には関係ない)エモいイメージトレーラー作るブームの先駆けだよね。

 


2006年リリースの『Gears of War』は発売前から全世界的に大きな期待を集めていて、Unreal Engine 3を使った初のコンソールゲームとして同時代のタイトルから頭ひとつふたつ飛び抜けた美しいグラフィックと、「カバーリング」という目新しいフィーチャーを使った新鮮なプレイフィールがコアゲーマーには早い段階から注目されていた。コアではない一般ゲーマーにはストレートに「大作SFアクションシューター」な感じのPRがされていたと思うが、それらとはさらに別にこの「Mad World」という曲を使った叙情的で印象に残る短いトレーラーがマス向けのティザー広告として投入された……という流れだったはずだ。どうやら主にはTV CMらしいが(2006年当時はまだまだネットでの動画公開と拡散はハードルが高い。なにせYouTubeがやっと前年にサービスインしたばかりだ)redditの書き込みを読むにアメリカでは映画館でも流れたらしい。

冒頭のIGNの記事には2015年のリマスター版『Gears of War』のプロモーションで使われた「Mad World」トレーラーのリメイクも貼られている。俺はこのリメイク版トレーラー見たのは初めてだったのだが、これは形だけ似せて大事なところはぜんぜんわかってないダメなトレーラーだなあ。シーンのチョイス、ショットの繋がり、編集のリズム……見比べてみるとダメさが際立つ。とりあえず「Mad World」かけときゃ懐かし喚起で勝てるやろ! という安易さが伝わってくるよ……。

 

 

 

ところで、ギアーズの「Mad World」トレーラーが話題になったのは映画『ドニー・ダーコ』が当時すでにカルト的な人気があったことも理由のひとつだと思うんだがどうだろうか。

「Mad World」は元はTears for Fearsの曲で、リリースされた1982年イギリスの空気感濃厚なちょい陰鬱系シンセポップだったわけだが、それを歌詞の内容により踏み込んで鬱味マシマシでテンポを落としてピアノアレンジしたゲイリー・ジュールズのバージョンが2001年の映画『ドニー・ダーコ』で印象的に使われた(歌詞的にも映画の雰囲気にぴったりすぎるくらいぴったり)。ミシェル・ゴンドリーが監督したPVも有名だ。

 

 

 

ギアーズの「Mad World」トレーラーで使われてるのもこのゲイリー・ジュールズがアレンジしたバージョン。

つまりあのトレーラーによって「ゴリラみたいなマッチョが馬鹿デカい銃を撃ちまくるゲームだが、『ドニー・ダーコ』の主人公の高校生みたいに鬱屈した毎日を送ってるお前らのための作品なんだぜこれは」という文脈を作ることに成功したんじゃないかなーと思うんだよね。

まあ実際のゲームは別にこのトレーラーで期待されるような陰鬱エモみたいな雰囲気はぜんぜんないんだけど。エモ味はないけど陰鬱さは全編を覆っているので、まったく違うとまでは言わないが。むしろ『Gears of War 2』の一部のシーンでの悲痛で絶望的なエモ演出(ドムの再会のとこ)はこのトレーラーに引きずられてあんな感じになったんじゃないかという気もする。そうでもないかな。それは牽強付会かな。言い過ぎかな。どうなのかな。

 

ところでクリフBは最近何やってるのかしらん。

 

Gears of War Series I (Marcus Fenix) [Import allemand]

『パニクルパネクル』をアーケードアーカイブスに

昨年9月からアーケードアーカイブスナムコタイトルがラインナップされるようになって、現在までコンスタントにリリースが続いている。いわゆるド定番の名作以外にも、今まで移植に恵まれなかったタイトルもちらほら入ってきているので、この調子でどんどんやっていってほしいなと思っている。

それで、これはけっこう前から言っていることだが――そして俺のような無名の輩がいつから発言していようと別に関係ないことではあるが――『パニクルパネクル』をぜひ移植してほしいんだよなー。いやー、難しいだろうけど、アーケードアーカイブスはときどきすごくニッチなタイトルが入ることもあるので、これなんかもどうだろうなあ、という。

『パニクルパネクル』は2002年にアーケードでリリースされたパズルゲーム*1。まだ公式の紹介ページが残っていた。簡単に言えばオセロのルールをアレンジした変格落ちものアクションパズルゲームだが、石を盤面のどこに置くかを選ぶカーソルを「プレイヤーキャラクター」と見立て、石が置かれている場所を乗りこえて先に進むことはできない、というビデオゲーム的なルールを課すことでよりスリルとアクションが生まれる……という内容になっている。

まあライトなパズルゲームであることは確かだが、なんというかこういう「こぢんまりとした1人用アクションパズル」を手元に置いて時々ちょいちょいと遊びたい……つまり手すさびとしてのビデオゲームが欲しい、という思いが俺には昔からあって、これなんかはそれにちょうど合致するのだ。それと、当時仕事帰りに地元の駅近にあったゲームセンターに寄ってこのゲームをプレイするのがルーチンになっていた時期があって、そういう意味で個人的に思い出深い。

そういう個人的な想いは別としても、あまり振り返られることのない小さな佳品という感じではあるので、アーケードアーカイブスに移植されて再評価されるといいなと想っている。でも当時からそんなに人気があったわけじゃないから難しいかな実際のところは。でもやってくんないかなー。YouTubeにいくつかプレイ動画があったのでわかりやすいのを貼っておく。

当時はぜんぜん意識してなかったけど、今改めて見るとBGMがちょっと遅れてきた渋谷系って感じで面白い。まあでもこの頃の一部のナムコタイトルはわりとこういうとこあったかな。

 

あとこれはぜんぜん『パニクルパネクル』とは関係ない話だが、オセロのルールについて今さっき調べてたらWikipedia日本版の記事が妙に充実していた。特に「オセロ」と「リバーシ」の関係性についての項目が面白い。そこらへんについてはいろいろあるので過去にもWikipediaの記事ががっつり変わったり削除されたりといった経緯があったようだが、とりあえず2020年4月11日時点の版で「良質な記事」の判定がついて内容が落ち着いているみたいだ。

*1:その後携帯電話(フィーチャーフォン)版アプリでも出ていたらしいが、俺はPHSだったのでこちらのほうは未プレイ

君は最新の両面宿儺を見たか

前回に続いてスマホゲームの広告話を続けるが、最近Twitterに流れてきたもので、なんというかいろいろ苦労しているんだなというものを紹介したい。どうにかして注目されたいという思惑と同時に一線を踏み越えないようにする配慮があるおかげで、なんとも不思議な味わいになっているものだ。前回言及した『スーパーウィザード』の一切何も気にしないで流行り物を全部ぶっ込む態度とは好対照と言えるかもしれない。

 

そんなわけで広告を紹介したいのは『神界奇伝~八百万神の幻想譚~』というゲームだ。日本の神話を題材としたRPGだが、開発のYuanFun Games、日本版運営のSky Entertainment Network、どちらも中国・広州と香港に本社を持つ中国企業だ(両社がグループ企業なのかは調べても良くわからなかった)。サブカルチャー経由の(イメージとしての)「日本文化」ブームの文脈下にあるタイトルということかな。

で、そのTwitter広告でこんなのが流れてきた。

 

最新の「両面宿儺」見ましたか?

日本の神話・伝承が題材なので「両面宿儺」が出てきても別におかしくはない。おかしくはないが……「最新の」とは?

中華スマホゲーの広告は中国人の役者が演じている映像や実際のゲームとはぜんぜん違うCGムービーに若干たどたどしい(たぶんネイティブではない)日本語吹替が被さることでストレンジな味わいが生まれてしまうのが常道だが、本作の動画広告はどうやら日本で作っているようでそういう不安定さはない。ないのだが空気感……アトモスフィアーがなんか不思議な感じになっている。

まず、なぜかTVショッピング風味なのだ。

 

 

喋り方が妙にねちっこい眼鏡の男が「両面宿儺」についてセールストークを始める。頑張ってプレゼンしているという感じだ。それを聞いているほうの男女はあまり広告では見ない類の「別に興味はないが仕事なので聞いている」というダルなバイブスが隠しきれておらず見る者の胸を打つ。これこそが労働のリアルだ。

 

 

眼鏡男の「両面宿儺、ご存知ですよね?」という問いかけに「もちろん知ってますよ」「もちろん」と答える男女。ちょっと不思議な会話だ。「両面宿儺」は有名といえば有名な伝承だが、しかし「もちろん知っている」と答えるほどの一般教養かというと少々疑問だ。もちろん「日本書紀」の記述に限らず、伝奇ホラージャンルの小説や怪談、マンガなどでモチーフとされることもあるので、それで知ったのかもしれないが……。

……と、白々しく書いてしまったが、ここで「ご存知ですよね?」「もちろん」という会話が成立してしまっているのはつまり『呪術廻戦』のことを言外に匂わせているのである。主人公・虎杖悠仁が取り込んだ「呪いの王」である「宿儺」だ。

というか今「両面宿儺」と言ったら真っ先に思い出されるのは「日本書紀」でも2chオカルト板発のネット怪談でもなく『呪術廻戦』だろう。その人気にいっちょ噛みしたいというわけだが、しかしストレートに「『呪術廻戦』でも出てきた両面宿儺がこのゲームにも……」とやるのは避けたい、そこはなんていうか配慮したい色々と……というので無難に削って丸くしていった結果、なんかちょっと不思議な会話が発生してしまった。

 

 

「実際にちょっと両面宿儺、見てみたいなって思いません?」どんな質問だそれは。丸くしていった結果として「何を言ってるんだこの眼鏡」的なセリフになってしまった。

 

 

「見てみたいですけど 見れるんですか?」男のほうが唇に指を当てて思案げ風を装いつつ何も興味がないというバイブスを強めた一方、女のほうがなんとか受け答えしようとして虚無の会話が成立してしまった。

 

 

「最新の両面宿儺のですね 画像があります」ますます丸めて無難な方へ持っていこうとして、もうなんだかわかんない文字列の連なりができてしまった。「最新の」両面宿儺とはなんなのか。「日本書紀」とも関係ないし『呪術廻戦』の宿儺でもない。伝承の存在というより〈概念〉としての「両面宿儺」である。あるいは端的にデータベース消費の〈記号〉あるいは〈モード〉としての「両面宿儺」と言ったほうがいいのかもしれない。だからそれには「最新の」という形容が可能なのだ。そしてその「最新の両面宿儺」とは。

 

 

「カッコいいですね これは」。眼鏡が言うに事欠いて〈無〉のプレゼンに至ってしまった。それを受ける男と女のほうもこれ以上ないほど〈無〉の表情だ。否、〈無〉を超越した〈空〉の貌(かお)になっている。特に男のほうが。俺がもしもテキストサイトブームの頃の流派を受け継ぐブロガーだったら上掲の写真に続けて男の顔に三、四段階くらいズームアップしていくトリミング画像を改行を多用して縦に長くベタベタと貼っていくところだが、生憎と俺は1997年からネットでテキストを書いている男なんでね、退き際は心得ている。

 

 

そうやね。

『スーパーウィザード』の広告はすごい(もちろん悪い意味で)

ところで、ゴールデンウィークに入ったあたりから『スーパーウィザード』というスマホゲームアプリの広告をTwitterでやたらと見るようになった。PCで昨年末にリリースされ今年頭あたりからスマッシュヒットしているローグライトアクション『Vampire Survivors』の、雨後の竹の子のように数多あるフォロワーのひとつなんだが*1、広告がちょっと看過できないレベルでストレートに『Vampire Survivors』との混同を狙っているので驚いた。

 

 

スマホ版ヴァンパイアサバイバーみたいなの見つけた!」って公式アカウントが発言してしまうのもすごいが、そもそも広告の動画内で出てくるゲーム映像のほとんどが『Vampire Survivors』のものなのだ。中華系ゲームアプリの広告は全体的にストレンジな味わいがあるものが多いが、ここまで露骨に「パクリ」をしてくるのはさすがに昨今では珍しいのではないか。

GW中のTwitterへの広告出稿量はかなりのものだったらしく、さまざまなバリエーションの広告が流れていた。そのほとんどが『Vampire Survivors』のゲーム映像をそのまま使っているのだが、それ以外にも大量の動画系ネットMemeや音楽をなんのアレンジもなくそのままぶっ込んで使っているので、結果として全世界的にやたらと幅広くいろんなものからの剽窃になってしまっている。そのうちのいくつかの元ネタは以下の動画で解説されている。

この他にも俺が見たものだと、先日のアカデミー賞での騒動からの流れでのMemeなのだろうか、ウィル・スミスの映像を使ったものなんかもあった。Memeを節操なく取り込んでるおかげでサム・ライミ版『スパイダーマン』のトビー・マグワイアと「野獣先輩」と表現包(中国のチャットステッカー)とParty Parrotが同居した動画にストⅡのBGMやYOASOBIの着信音アレンジが被さる、みたいなことになってて、カオティックというか共感性羞恥みたいなものを感じてしまう。一昔前の中学生が情報処理の授業中に内職して作ったMAD動画を自慢げに友達に見せてるときのあの空気感というか。

いやしかし世界は広いね。そしてTwitter社は広告の審査をもっとちゃんとしろよと言いたい。

*1:そもそも『Vampire Survivors』も21年初頭リリースのAndroid用ゲーム『Magic Survival』のシステム、ゲームメカニクスをかなり参考にしているようだ。『Magic Survival』はAndroid版のみしか出ておらずiPhoneユーザーの俺は動画しか見ていないので断言はしないが、まあ「参考」というか「直接的に影響を受けている」と言っていいと思う。あと『Vampire Survivors』はアートワークの面でもちょっと怪しい部分がある。低価格ゲームということもあって全体的に00年代後半あたりのフリーゲームを想起させるような(権利的な意味での)緩い雰囲気がある。