正月に実家に帰省する際の「移動時間暇つぶしゲー」として、ニンテンドーDS版『ファイナルファンタジーⅢ』を安いからという理由だけで特に何も考えずてきとうに買った。3Dリメイクのやつだ。ぼんやりした気持ちで10時間ほどプレイしてたのだが、これはファミコン版のほうをプレイし直したほうがいいんではないかなーという気分がムクムクと湧き上がり、途中でやめてしまった。
システム周りはファミコン版よりもちゃんとこなれて現代風にリメイクされているけど(といっても2006年のゲームだから、すでに18年も前の「現代風」になる……当然ながら2024年の観点からは古くさい)、やっぱDS当時の3Dモデルでは戦闘シーンの魅力が格段に落ちる。ファミコン末期ドット絵芸の極致のひとつであるFF3のモンスターを再現するにはこれはちょっとあまりにも力不足……。
そんなわけでやめてしまってしばらくたって、今はレトロフリークでファミコン版FF3をちまちまと進めている。1990年の発売当時ぶりの再プレイだけど、いやーやっぱDSの3Dリメイクよりこっちのが格段にいいな……こればっかりは、DSリメイク版スタッフには不利な戦いだったと言わざるを得ない。
1990年、ファミコン末期のスクウェア。まだソフィスティケートされる前の、「A級」になろうとはしているけどギリ届かなくてはっちゃけている感じ。主要スタッフが皆20代最後もしくは30代初めで*1、なんというかある種の「青春の最後の輝き」みたいなものを読み取ってしまって、中年の胸にグッと迫るものがある。今まさに「何者か」になるための一世一代の戦いをしている、それを皆がなんとなく、でも確実に感じている、だがそれはそれとして、仲間と朝までずっと踊り続けていたいんだ!!!! ……みたいなさ。そういうの。一方的にそういう「物語」を読み取って(思い込むとも言う)、しばしプレイの手を止めてしまうのでなかなか進まない。いや、ゲーム自体のテンポは異様に早いのだが。浮遊大陸を出るところ前後ってこんなにあっさりしてたっけ? という感じだ。
ファミコン時代のFFに比べると、同時期のドラクエ各作は明らかに「大人が作ったゲーム」としての手ざわりがある。主要スタッフの年齢がFFとそれほどかけ離れているというわけでもないのだが、なぜかそう見える。当時からなんとなく感じていたことだが、今ははっきりとわかる。ドラクエ3リメイクの発売も近付いているので、そっちも流れで新旧合わせてプレイ/再プレイしてみるかな。
*1:シナリオの寺田憲史のみ38歳