ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

あの日見たテリーのメタルプレートキャップについて俺はまだ知らない(けど最近調べたこと報告)。

以前こんなことを書いた。

大張正己アニメ版テリーのキャップ(前面にメタルプレートが貼ってあるデザインのやつ)、あれ90年代前半くらいに、コスプレグッズとしてではなく普通のファッションアイテムとしてお店に並んでいた気がするんだけど、あれはどういう文脈のものなんでしょうか? スケーター系? ヒップホップ系?

……と言ってもどこのどういう店で見たのかは曖昧なので(確実なのは東京ではなく地方の店)、実は本当にキャラグッズの類だったのかもしれないけど。でも、なんか赤だけじゃなく黒とかネイビーとかカラバリありで並んでいるとこ見た気がするんだよなあ。

(略)

あのー、マルコムXのXキャップが流行ったときがあったじゃないですか。あのときの記憶と隣接している感じなんだよな……

 

『餓狼伝説』シリーズや『KOF』シリーズなどゲーム内でのテリー・ボガードがかぶっているキャップは赤色がベースで前面は白(作品によって違うが、そこに「Fatal Fury」などのテキストが刺繍ロゴ風にあしらわれている)のごく普通のデザインだ。

画像引用元:https://www.snk-corp.co.jp/official/kof-xv/characters/characters_terry.php

しかし大張正己が監督したアニメ版『餓狼伝説』*1のテリーのキャラクターデザインではアレンジを加えていて、前面を覆う大きなメタルプレートが貼ってある(四隅にはビス留め風のニュアンスがついてる)。武士の鉢金のイメージも持ってきているのか、今までの激しいバトルでプレートに傷がついていたりもする。以下を参照してほしい。

 

俺はアニメ版デザインの印象が強くてテリーというとこのメタルプレート付きキャップという感覚が今でも抜けず、ゲーム内のテリーを見るたびにちょっと物足りない気分になったりもする。それは上記引用部のとおり当時メタルプレート貼り付けキャップの実物をお店で見たことがあるというのも一因かもしれない。見た瞬間に「おおーテリーのやつだ!」と感激して買う一歩手前までいったからね。まあ俺は後頭部が大きくて一般的なキャップのサイズではぜんぜん似合わないことが自分でもわかっていたので買わなかったんだけど。*2

そんなわけでプレート付きキャップの実物は当時(90年代前半。アニメ放映の後だから92年以降。中学生以降、遅くとも高校時代の思い出なので95年まで)確実に見ているのだけど、思い返して見るとどういう文脈なのかがよくわからない。コスプレ/キャラクターグッズの類として店頭に並んでいたわけではないのは確かだ。当時のストリート系ファッションでこういうアイテムの文脈があったのか、それが地方都市の店でも展開されるくらい流行っていたのか、俺は詳しくないからよくわからない……というのが前回記事を書いたときの状況。

 

で、先日たまたま見つけたんだけど、もしかしたらこの文脈なのかな、というのがあった。

www.romantist.info

希少な当時もの、推定80年代ヴィンテージ BOY LONDON METAL CAP(ボーイロンドン メタルプレート キャップ)です。

これこれ! まさにこういう感じのだった。前面だけじゃなくつばの部分にこういうパンチホール入りプレートを貼ったやつも並んでたと思う。この「BOY LONDON」というブランドについては俺は不勉強ながら知らなかったし、当時俺が見たものにはロゴは入ってなくて無地のプレートだったはずだ。が、「推定80年代」のものというこのキャップがリリースされて数年後にそれをイメージソースにしたノーブランドのキャップが地方都市のデパートのヤング洋品コーナーに並んでいた、と考えればあの頃の時間感覚としてはまあ納得がいく感じだろう。

と言って、このBOY LONDONのアイテムが「メタルプレート付きキャップ」のオリジンと断じるのも早計だろう。こういうのは同時代的に共有されたセンスとしてたぶん他のブランドでも似たようなアイテムがあったんじゃないかなとは思う。引用したショップサイトの「推定80年代」という記述で連想したのだが、ジャネット・ジャクソンの「リズム・ネイション」(1989年)PVでの衣装はまさにこの「キャップ+メタルプレート」も含めた「布・革素材とメタルプレートの組み合わせ」でデザインされていたわけだし、文脈としてはこっちのほうかもしれない。

 

youtu.be

 

キャップに貼られたメタルプレートの大きさやデザインは全く違うが、このPVでもっともアイコニックに有名な「5, 4, 3, 2, 1...」と顔の前で指を折ってカウントダウンしていくシーンで大写しになる革手袋に貼られたメタルプレートは四隅にビス留め風の意匠があったりするし。

 

 

あと、この流れで調べていて知ったんだが、最近では「KARL ALLEY」というスウェーデンのヘッドアウェア専門ブランドがこういう感じのメタルプレートキャップをリリースしていたようだ(公式Twitter/Instagramアカウントは2017年以降更新がなく、公式サイトにも繋がらないのですでに消滅したブランドなのかもしれない)。

item.rakuten.co.jp

 

まあ今のところそんな感じで。俺はぜんぜんファッションとか詳しくないから間違ったことも書いてると思うので参考程度に。ここらへんの流れに詳しい方がいましたら情報いただければ幸いです。

*1:92年放映『バトルファイターズ 餓狼伝説』、93年放映『バトルファイターズ 餓狼伝説2』

*2:同時期に流行ってて買ったマルコムXキャップで思い知らされたのだった。