ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

ゆうゆの思い出

 タイトーは、卓上ゲームセンター「イーグレットツー ミニ」専用ソフト収録SDカード「イーグレットツー ミニ アーケードメモリーズ VOL.2」を12月21日に発売する。価格は8,778円。

イーグレットツーミニの追加SDカード第2弾が発表されたのだが、収録作に『ゆうゆのクイズでGO!GO!』があったのでちょっと驚いた。実写で実在有名人が登場するタイトルって、いわゆる版権タイトルよりも権利交渉がたいへんそうなイメージがあるが、どうなんだろうか。

『ゆうゆのクイズでGO!GO!』は、俺の人生において唯一ゲーセンで後ろにギャラリーが立ったゲームだ……ちなみにギャラリーは小学生グループだった。あれは中三かそれくらいの頃だったと思うので、91年にこのゲームがリリースされて、しばらくたった時期だろうか。近所のボーリング場に併設された、市内で一番広いゲーセンでのことだった。

クイズゲームとしてはそれほど難しくない内容だったし、何度かプレイしているうちに問題も少し覚えていたので、その日はかなり調子良く進んでいた。途中のボーナスステージあたりでちょっとブレイクして何の気なしに周りを見たら、斜め後ろに小学三、四年生くらいの子たちが何人か立っていた。

当時も今と変わらずゲームがへただったのでゲーセンで自分の後ろにギャラリーが立つことなど初めての経験だが、しかしこれはクイズゲームだ。俺は中学生にしては雑学に強いほうだと思っていたので――いや、正直に言うなら「俺はかなり物知りだ」と自負していたので――緊張することなく、お得意の「文学・歴史」か「マンガ・アニメ」ジャンルあたりを選んでサクサクと正解を積み重ねていった。後半ステージなので、前半ステージで一度クリアしているジャンルは高難度になっていて、ジャンル選択画面でも「難しい文学・歴史」「難しいマンガ・アニメ」と表示されていたはずだ。それを迷いもせず選び、あまつさえ正解を連発し、軽々とノルマをクリアしていく。ギャラリーの小学生たちが声にならないどよめきを発するのを背中で感じた。

いよいよ最終ステージ。ジャンル選択画面では「難しい●●」の他に、今までのステージで選んでこなかった「スポーツ」のジャンルがあった。このジャンルの知識はあまり自信がないが、高難度のジャンルを選ぶよりかは低難度の「スポーツ」を選んだほうがいいかな……と少し迷ったのを覚えている。その迷いが手元を狂わせたのか、俺は思っていたのとは違うボタンを押してしまったらしい。選択されたジャンルは「ゆうゆの問題」。思わず「あ!」と声に出してしまった。その瞬間、すべてを察した後ろのギャラリー小学生たちが「あー」と……否、明確に「あー(失笑)」というニュアンスを隠さずに声に出し、俺は顔が火照るのを感じた。

「ゆうゆの問題」はゆうゆに関する異様にマニアックな問題ばかりが出題されるという一種のネタ枠ジャンルだ。俺はおニャン子クラブ当時は小学校低学年でぜんぜん世代ではないし、せいぜい『クイズ!年の差なんて』くらいでしかゆうゆを知らなかったのでまったく歯が立たない。当然ながらノルマを達成できずゲームオーバーとなった。ギャラリー小学生たちのほうに顔を向けず、早足でその場を立ち去った。

たぶん、その日が『ゆうゆのクイズでGO!GO!』を俺がプレイした最後の日だったと思う。