とあるTweetから発展した、90年代末から00年代後半にかけてのギャルゲーの絵、キャラクターデザインの発展についてのあれこれをまとめたTogetter。
識者各位からのツッコミなどもあり、「ときメモ2とアマガミの間に何があったのか」という大元のTweetは消されたようだけど、デザインの変遷話というのはどのジャンルでも興味深いし、いろいろ言いたくなる人がたくさん出てくるものなので、この話題自体は別に悪くなかったと思う。
俺はその方面の知識はごくごく表層的なものしかないので偉そうなことは言えないが、『ときめきメモリアル』一作目をPS版で97年か98年に初めてプレイしたとき、パッケージとか各種グッズのイラストでは当時でもなんか垢抜けないデザインに見えたのに、ゲーム中のドット絵だとちょうどいい塩梅に見えたのはけっこう鮮烈に憶えている。
それでときメモ2が発表されたときは、ずいぶん「アニメ」みたいになったなーとわりあい違和感を憶えた、ということも覚えている。たぶん俺には、ときメモ1のキャラクターデザインは「ビデオゲーム」の、端的に言えばドット絵のデザインとして優れたものだという認識があったのだと思う。ときメモ2のほうはそこから「アニメ」のデザインに大きく方向性を転換したので、あまりピンとこなかったのかもしれない。
さっきのTogetterでは『アマガミ』に注目していたが、それを言うならその前作の『キミキス』からだろう、というのはあるよね。キミキスは初報時(2005年)のファミ通に載った広告のインパクトがすごかった。見開き×3で、それぞれ片面にキャラクターの顔のアップをドンと載せてもう片面は余白を活かしてそのキャラのセリフをキャッチコピーとして使うというやつ。あれを見たときは本当に仰天した。こんなゲーム広告見たことない! いやエンタメジャンル全般でもここまで振り切ったのは見たことない! とすごく興奮したのを憶えている(若干、自分の仕事にも関係することなので)。今でこそ個別のキャラクターを大きくフィーチャーしたティザー広告なんて珍しくもなんともないけど(ある程度のバジェットの映画なら必ずやると言ってもいい)、05年当時はまだ映画でもそんなにやってない手法だったと思うし、いわんやゲームをや、という感じだ。今見ても充分戦える広告デザインだと思う。
※『キミキス』関連雑誌記事のデータベースをまとめている以下のサイトに、件の広告のスキャンが掲載されている。「ファミ通 No.868 2005/08/05号」の項だ。
http://lovesil.sakura.ne.jp/kimikiss/
キャラクターデザイン的な意味では、誌面1ページ全体を使ってのバストショット大写しに耐えうるレベルの2次元少女のキャラクターデザインとはどうあるべきかという問いに、05-06年当時のアニメ・ゲーム的リアリティラインとは別角度の文脈からのラインを引いた結果、それまでにない生っぽさと抜けの良さが出たと思う(素人感想ですが)。
……と、いうようなことを昨年の12月後半にTweetしたのだ(そもそも前掲のTogetterまとめがそのころの話題)。
その流れで、『キミキス』について過去の俺は何か言ってなかったっけかと自分のBlogを検索してみたら、予約して買ったのに結局積んだまま年を越しそうなので人に貸したと出てきた。えー。
まあそんなところかな。今年はもうちょっとじっくりゲームと向き合う時間を作りたい。そうそう、コンソールでこのEROキャッチーさは事件よなと予約してまで買った『キミキス』は結局封を開けたところで終わった。年末になって「こりゃ今年中にやることはあるまい」と見切りをつけて人に貸してしまったぜ。戻ってきたらやろう。
さっきいろいろ偉そうなことを書いといてなんだが、確かにプレイした記憶はない(ないのか)。というか買った記憶もまったくなかった。えー、てことは今この部屋の中にあるの……この汚部屋の中に……と一通り探してみるも見つからない。今手元にないということは、Blogに書いたとおり誰かに貸してまだ返してもらってないということなのかな……誰に貸したかもまったく覚えてないんだが……。
一応、過去のTweetのほうも検索してみると、
結局今年も『キミキス』をプレイできなかった。
— MSRkb (@msrkb) 2007年12月27日
次の年もプレイしていなかった。
たとえ萌えっぺえ四文字タイトルのゲームだったとしても、最後に「Fight for N.Y」を付ければ一気にギャングスタで殺伐とした感じになる。『キミキス Fight for N.Y』! 『まほらば Fight for N.Y』!! 『ゆめりあ Fight for N.Y』!!!
— MSRkb (@msrkb) 2008年4月9日
『キミキス 〜原罪のシギルルム〜』
— MSRkb (@msrkb) 2008年4月9日
そうかそうか。だがそんなことを言っている場合ではないだろう。やれよ。
ちなみに予約して発売当日に買った『キミキス』は、未だにプレイしていない(封は開けた)。会社の机の上で書類の山に埋もれている。
— MSRkb (@msrkb) 2008年10月14日
06年末に誰に貸したかは思い出せないが、とりあえず08年後半には何故か会社の机の上にあったらしい。同僚の誰かに貸したのか? いずれにせよ、この時点ではすでに返してもらったのだろう。
Clavis氏の『アマガミ』レビューを読んでからプレイ熱が高まっているが、その前に積んでる『キミキス』をどうにかしろという話だ。 http://clavis.info/wiki/amagami_first_impression
— MSRkb (@msrkb) 2011年4月13日
飛んで2011年。この時点までは『キミキス』を「積んでる」という認識はあるようだ。まだ会社にあるのか、家に持って帰ったのかはわからないけど、仮にこのときまだ会社にあったとして、この一年後にオフィスの引っ越しがあって会社に置きっぱなしだった私物をけっこう持って帰ってきたはずなので、少なくともそのときには自宅に移動したはず。
……で、ここから現在に至るまでのうちに、そもそも『キミキス』を買って持っているという記憶自体が俺の中から失われてしまっていた。自Blogを検索して「予約してまで買った」という文字列が目に入った瞬間に比喩じゃなく「え!」と声に出してしまったし、(え、どこに? ここにあるの?)と部屋の中を見回してしまった。
『アマガミ』についてはプレイしているのだ。たぶんそれによって『キミキス』を買ったという記憶が上書きされてしまったのだと思う。
そうかー上書きされちゃったかー、記憶がね、うん、そういうの、あるよね、P.K.ディック的な、っていうかね、トータル・リコール的なね。
と、無理やり自分を納得させていたのだが、先日部屋を少し片付けていたら偶然にも地層の下から発掘されたのだった! ほんとにあった!
とはいえPS2は現在押し入れの中なので、このまま、また積むことにはなるわけだが……。