ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

昔は気にも留めなかった些末な部分ばかり見ている

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Switchの『Capcom Arcade Stadium』を買った。カプコンのアーケードタイトルコンピレーションで、『19XX -THE WAR AGAINST DESTINY- 』と『プロギアの嵐』が入っているということで発表時からけっこう楽しみにしていたタイトルだ。これのためにSwitchでも使えるアーケードスティックをあらかじめ購入したりした。

収録ラインナップ以外の、レトロゲームコンピレーションタイトルとしての仕様そのもについては別に期待する部分はなかったのだけど、好きなときにボタン一発で巻き戻せるリワインドやゲームの速度を何段階かで速くしたり遅くしたりする機能の搭載は良かった。PC用の各種エミュレータでは珍しくない機能ではあるけど、コンソール向けのレトロゲーム復刻タイトルでの搭載は珍しいほうだと思う。Nintendo Switch Online加入者特典の「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」ではリワインドが搭載されているので、その流れでの仕様決定だろうか。しかしまあ、ゲームへた人(へたうど)としては、今後の全てのレトロゲーム復刻タイトルにリワインド機能を搭載してほしいね。特にアーケードタイトルの場合は。

 

各タイトルをざっくりとプレイしているところだが、『魔界村』で個人的にちょっと驚いたことがあった。子供の頃、ファミコン版があまりにも難しく1面のレッドアリーマーを倒すことさえ覚束なかったのがある種トラウマになっていて、その後長じてアーケード版を遊べる機会があっても、なんだか食指が伸びずほとんどプレイしていなかった。ファミコン版は移植具合がひどくて理不尽に難度が上がっていると知識では知っているものの、どうしても苦手意識があったのだ(『大魔界村』ではそんなことはない)。まあでも、収録されてるならとりあえずやってみるかとプレイしてみたら、リワインド機能も使わずに1面レッドアリーマーをわりと簡単に倒し、危なげなく1面クリアまでは行けたので驚いた。あれーこんなもんなのか。連射機能があるとはいえ。こうなってくるとファミコン版のほうを改めてプレイし直してみたくなってしまうね。

 

あと、 『ファイナルファイト』をめちゃ連コインでクリアしたんだが、なんだかプレイ中にいろいろ考えてしまった。エンディング、救出したジェシカを抱きしめるハガーとは対称的に、コーディとガイの2人は何のタメもなくハガー父娘に背を向けてザッザッザと歩いて立ち去ってしまう。そしてそのまま、スタッフロールの半ばまでコーディとガイが延々と街を歩いていく姿が描かれる。

まあその行動、態度にはコーディなりのジェシカへの思いが根底にあったからだということがエンディングのクライマックスでは語られる。が、なんていうかこのシークェンスの、大団円にも関わらずサッと回れ右してザッザッザと立ち去り、そして延々歩いて行く……別にエンディング専用のモーションがあるわけではなく、ゲームプレイ中と同じ動きで、今まで戦ってきたステージを、反対方向へ歩いて移動していく……という、このある種の虚無的な演出のリズムに、言いようのない魅力を感じてしまった。

それとコーディはともかく、ガイのほうはどういう気持ちでその後ろを付いて歩いてるのかよくわかんないとこもいい。いや別にジェシカと直接の面識はなく、友人であるコーディに助太刀しただけではあるんだけど、なんかそのコーディがなんの余韻もなく急に立ち去っちゃったので「せっかく助けたのに、え、なにこいつどうしちゃったのなんか気恥ずかしくなっちゃったの? え? え?」とドン引きしながらも何も言えず後ろを付いていくことしかできない、ようにも見える。あるいは完全に虚無か。ガイの内面は空洞か。もちろんガイのほうにも演出的にちゃんとオチは付くわけですが。

昔は別に気にも留めなかった、こういう些末な部分にばかり目が行き、より味わいが深くなる。ラウンド5の背景に3回出てくる変な犬も気になって、思わずスクリーンショットを撮っていた。 

 

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