ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

最近のゲー 『イルベロ』

マイルストーン社製アーケードシューティングでちゃんと遊んだのって、『カオスフィールド』しかなくて(『カオスフィールド』については当時こんなことを書いた。なんともう10年前か!)、他は数回コインを投じたくらいで、特に『イルベロ』はまったく遊んだことがなかった。実は『ラジルギ』と『カラス』に関してはドリキャス版を買っていたものの未開封のまま。今回マイル社製STG5本(『カオスフィールド』『ラジルギ』『カラス』『イルベロ』『ラジルギノア』)をカップリングした『サクラフラミンゴアーカイヴス』(Xbox360)を買ったのでそれらについては手放したのだった。

以前、「シューティングゲームサイド」誌でスタッフのインタビューが載っていたのだが、そこで彼らが自分たちのゲームのことを「サブカルシューティング」と言っていて、それが妙に心に残った。サブカルシューティングか……。というわけで、収録作品を連続してプレイ。

ラジルギ』『カラス』『ラジルギノア』は、ゲーム中に大量に表示され、且つひとつひとつは一瞬で消えるメッセージの洪水をサブテキストとして、ポップなルックの裏に神経症的な、言うなればメンヘラ的な「物語」が「隠されている」ことを匂わす作りとなっていて、これは確かにカギカッコ付きの「サブカル」、90年代末から00年代初頭あたりのどこか懐かしい香りのするあのイキフンを感じさせる。ふむん。

が、それらとは異質なのが『イルベロ(イルマティックエンベロープ)』だ。これは前述三作のような「わりと普通のシューティングにスタイルとしての『サブカル』臭をデコレートしたもの」とは何か本質的に違うものを感じさせる。アートワークはポップなのだが躁的な散らかり具合でギョッとさせられるし*1、そもそもゲームシステム自体も妙なわかりにくさがあって怖い。プレイ中、しきりに首を捻ってしまった。動揺したと言ってもいい。「サブカルシューティング」というか「統合失調症シューティング」という呼び名のほうが似合っているのではないかと思った。

サクラフラミンゴアーカイヴス - Xbox360

*1:筒井康隆の『パプリカ』に出てくる、廃人が見る悪夢の表現を思い出した。小説を読んでいるときにイメージしていた絵としては、今敏の映画版での同じシーンよりもこのゲームのほうが近かった。