ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

神々のトライフォース2

どうも、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』を「神トラ」と言うのがけっこうメジャーな略し方らしく、俺は今まで聞いた/読んだことなかったんで、「神トラ2」って文字列を見るたびに『爆走デコトラ伝説』とか『アートカミオン 芸術伝』のことを連想するんだが、ところでそれらのソフトがリリースされた当時、だから99年とかそこらへんの時代のこと、偶然見た深夜のバラエティ番組で「ゲームマニアが集うバーへ潜入取材」みたいなことをやっていて、カウンター5席くらいしかない本当に小さなバーに20代後半から30代くらいのもっさりした男たちが肩をすぼめながら押し込まれていて、何やら甲高い声や妙に芝居がかったバリトンを響かせながらわいのわいの騒いで呑んでいたのだった。そのうちの一人がインタビューに応じていたのだが、これが阿部広樹(ABC)氏をより胡散臭くしたような巨体の長髪・チョビ無精髭おじさんで、店内だというのになぜかダスターコートを脱がずにスツールにどでんと座り、太い指にそれと同じくらい太い葉巻を挟み、その葉巻をカメラに向かって振り立てながら、やたらと業界の大物風の物言いで熱弁を振るっていて、インタビュアーの「最近のゲームで一言いいたい作品は何かありますか?」というような質問に「ええー、ヒューマンさんの『爆走デコトラ伝説』、あれは前作は本当にね、素晴らしいゲームだったんだけど、スタッフの皆さんも頑張ってくれたんだけど、だけどね、会社が移ってこないだ出た『2』、あれはね、前作の何が素晴らしかったのかをまったくわかってない、別のスタッフがね、非常に残念な、ほんとにね、次は頑張っていただきたいものですよね、本当に」というような内容のことを、語尾の「ね」を強調した喋り方でまくし立て、最後に葉巻を一口燻らす、というたいへんにインパクトのあるものだったので、なんだか妙に記憶に残っているのだ。俺もそんなバーを行きつけの店にしたい、きっと社会人になればそういう店のひとつやふたつできるのだろう、と学生時分の俺はぼんやりと思っていたのだが、働き始めて十数年、まったくそんなことはなかった。胡散臭い巨体のおじさんにはなった。人生。

 

爆走デコトラ伝説

爆走デコトラ伝説2~男人生夢一路~ PlayStation the Best