ゲームへたおじさんドットコム

いい年した男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。ゲームへたおじさん、またはMSRkbと名乗っています。

誰もクリアできない


数年前に聞いた話。

 

あるゲーム会社が、解散した別のゲーム会社の過去作品版権をまとめて引き継ぎ、現行プラットフォームでのオールドハード用ゲーム配信サービスでリリースを始めた。まあつまり、バーチャルコンソールとかゲームアーカイブスみたいなやつです。

当然、配信するにあたって新たにデバッグを行い、現行ハードでちゃんと動くかどうかを確かめるわけだが、あるゲームで問題が発生する。あまりにも難しくて、腕っこきのテスターたちが一週間かかっても一度もクリアできないというのだ。

エミュレータの不具合で元々の挙動がちゃんと再現できずおかしくなっている可能性もあるので、元のハードでオリジナル版を起動させてのテストもしたが、そちらも同様だった。

残念ながらそれほど売れたタイトルではないため、ネットで探っても発売当時にクリアしたという書き込みが見つからない。クリアできないのはいわゆる「ストーリーモード」なのだが、このゲームは対人戦に重きを置くタイプのジャンルで、1人用のストーリーモードはどちらかというとサブ的な扱いである。それも関係して、ぜんぜんクリアできなくても特に気にされなかったのかもしれない。

いずれにせよ、このままでは最終面クリア後の挙動に問題がないかを確認できない。解散した会社で過去に開発に携わった人を探して聞いてみると、オリジナル版開発当時はデバッグモードでクリアして確認しただけだとのことだった。つまり、解散した会社では、誰も(テスターのみならず開発者でさえも)自力でクリアしていなかったのだ。

結局、版権を引き継いだ会社では、通常のプレイによるクリア後の挙動を確認できない以上、(元が他社制作のタイトルということもあり)品質保証はできないということで、そのゲームの配信は取りやめになったという。もっと時間をかければクリアできるテスターもいたのかもしれないが、そもそも大きな売上が見込めるプロジェクトではないため、これ以上コストをかけてチェックしても無駄だとの判断だった。

 

BlogだったかTwitterだったか忘れたけど、俺は以前どこかで「市場に出回った数が少なくて開発者とテスター以外にクリアした人がこの地球上にいないゲームもあるんだろうなあ」というようなことを書いた。が、もしかしたらこのゲームは、開発者もテスターも購入したユーザーもクリアしたことがない、正真正銘の「誰もクリアしたことがないゲーム」だったのかもしれない。なんか浪漫を感じるね。