ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

「VR時代」が今年本格的に来たとして

来たとして、いや来てるんだが、まあでもまずは熱心なホビーストとコアかつ新しもの好きのゲーマー向けなわけだから、広く一般に普及するという感じにはならないだろう。だがビジネスの方面での盛り上がりはちょっと前のめり気味に立ち上がってくるので、そこかしこで味わい深い光景が見られるかもしれない。そういうのはそういうので、斜めの角度からの期待を持ってたりする。で、ちょっと前に見たこのニュース。

 

www.atpress.ne.jp

テクノブラッドは、日本のみならず韓国でも『FOVE』を展開するため、韓国向けにネットカフェ管理ソリューションを提供していることで知られる関連会社の株式会社N Media Platform(所在地:Geumcheon-gu, Seoul, Korea、CEO:Kwon Ho An)を通じて、日韓両国で『FOVE』を用いたVRコンテンツの体験プラットフォームを展開していきます。今回のこの取組により、日韓合計約7,000店舗のネットカフェを基盤とした月間約2,500万人のユーザーにアプローチできる大きなVRコンテンツの体験プラットフォームを構築いたします。

というわけで、ハイエンドPCが必要で個人での導入にはハードルが高いVRヘッドセットをネカフェに常備して、「まずは体験してみないとわからない」というVRのラストワンマイルを埋めましょうというわけだ。ビジネス的な成否はともかくとして、ネカフェに行ったら個室でVRを体験中の客がたくさんいる、っていうのはなかなか未来っぽい風景じゃないだろうか。俺はその風景が見たい。

もう10年ほど前、蒲田で呑んで終電を逃したとき、手持ちも少なかったので格安ナイトパックを謳う路地裏のペンシルビル内のネカフェに入ったことがある。そこがすごかった。俺がそれまで入ったどんなネカフェとも違う異様な雰囲気で、まず入り口の受付以外は店内真っ暗。一応蛍光灯は灯っているんだけど、ブルーのセロファンを何枚も重ねて貼って簡易ブラックライトみたくしてる。個室の仕切りは薄いベニヤ板(雑に黒いペンキで塗ってある)。リクライニングチェアとは名ばかりの、スプリングが抜けて綿がはみ出している椅子と起動に5分かかるPC。マンガの単行本や貸し出し用ゲーム機の類は一切置いておらず、わずかに週刊誌数冊が受付横のマガジンラックに入っている。ネット「カフェ」とは言うが飲み物は煮詰まったホットコーヒーサーバーが2台あるのみ。基本的に、格安の宿泊所として使われていたのだと思う。確か、ちょうどNHKのドキュメンタリー番組で「ネットカフェ難民」にスポットが当たった頃だったはずだ。

今もあるのかな、あの店。ああいうところにこそ、VRヘッドセットを置いてもらいたい。最高にサイバーパンク……カマタシティは今日も酸性雨に濡れる……。