ゲームへたおじさんドットコム

1977年生まれの文系社会人。どこのクラスにも10人はいたような男のゲーム日記とメモと寄る辺のなさ。

述べるノベル(なんのやる気も感じられないエントリ名)

間が空いてしまったがPSP『セカンドノベル〜彼女の夏、15分の記憶〜』を進めている。3つめのシナリオルートに入ったところ。えーと、プレイ時間8時間弱くらい?

こないだのプレイ日記ではどんな内容のゲームなのかの説明を端折っちゃったから、まあ簡単に書いておこう。これはちょっと工夫(KU-FU)があるノベルゲームです。ヒロインは高校時代の「ある事件」がきっかけで前向性健忘になってしまっている。前向性健忘ってのはあれだ、映画『メメント』以降ちょくちょくフィクションの題材にされることが多い記憶障害で、主に外傷性のショックを受けて「以降」の記憶をごく短時間しか保持できなくなってしまう病気だ。ショックを受ける前のことはちゃんと憶えてるんだけど、その後のことはすぐに忘れてしまう。

このゲームのヒロインは、高校時代の「ある事件」以降のことは約15分間で忘れてしまう状態になっている。その状態ですでに5年の時が流れているわけだが、高校のときにヒロインと同級生だった主人公は、会社の盆休みで帰省した折に彼女と再会し、そのリハビリ的な行動に協力することになる。でまあ、リハビリってのはヒロインと一緒に高校に行くことなんですね。ふたりともすでに二十代前半なんだが、ヒロインのほうは事件時点で時が止まっているので、中身(記憶)的には高校生のときのまま、だからかつての母校の風景に触れることで何らかの刺激が起きて病状が良くなることもあるかも……という感じ。夏休みだから学校にはほとんど誰もいないしね。そこらへんのところは事情を知っているかつての担任の先生にも話は通しています。

さて高校の教室にやって来たヒロイン、何か記憶が刺激されたのか、唐突に「物語」を語り始める。ヒロイン自身が主人公で、高校の日常を描いたもの。そこにはヒロインの他に、彼女の幼馴染みであり主人公の親友でもあった「彼」が登場し、ヒロインと淡い恋模様を繰り広げたりする。そしてもう1人、実際の高校生活では存在しなかったはずのミステリアスな少女が登場し、ヒロインはオカルトめいた体験をする……。

どうやらこの「物語」、高校時代の事件以前に彼女が密かに書きためていたものらしい。しかし、前述のようにヒロインは15分間しか記憶を保持できないので、この「物語」を語っている最中に記憶がリセットされて、最後まで物語れないわけです。そこで主人公は、ヒロインの語る物語の「あらすじ」をカードに書き留め、記憶がリセットされた彼女にそのカードを見せることでそこまでの語りの時間をショートカット、続きから語り始められるようにして、なんとか物語を完結させようとする。そうやって書き留めたカードの山の中から、時には新たな物語の記憶が呼び起こされ「分岐」となって別の物語が語られ……ということを繰り返し、一段落つくごとに現実世界でのヒロインと「彼」と主人公の関係、高校時代の「ある事件」に関係することが少しずつ明らかになっていく……という構造となっています。「カード」を作るところがこのノベルゲームの「ゲーム」としてのキモなわけだ。

 

で、この構造、ゲームの仕組み自体はたいへん面白く、なぜヒロインがそんな物語を語るのか、という大枠の謎はなかなか魅力的なんだが、いかんせん、語られる「物語」自体がどうにも地味で……そこで興味を持続するのがちょっと難しかったりする。すごく淡泊な学園もの、ちょっとだけオカルトめいた事件(というか事件未満)がなんとなく起こってる……? くらいの感じなので。まあこれはたぶんゲームを進めることでこの「物語」の内容とヒロイン&主人公が今いる現実世界が密接に絡んでくるという物語だろうから、もうちょっと進めないとわかんないだろうけどね。ノベルゲームってここらへんがネックだよねー。小説だったらここままでたぶん序盤の100ページ弱くらい。

セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~

セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~