このキャッチコピーの雑な感じ、最高だね!
俺、ゲームの宣伝や、あるいはゲーム中のシステムメッセージなんかに時としてあらわれるこの種の間抜けなフレーズが個人的に大好きで、こういうのは他のメディアではなかなか見られないビデオゲームならではの表現(表現というか無意識の表出か)だと思うんだよね。ゲーム内で語られるいわゆる「物語」と、ゲームのシステムの間のある種のズレ・乖離・キャズムが、こういう間抜けさを生み出すのだと俺は思っている(具体的には、そのズレに無頓着な人間がルーチン的にワードを吐き出すことで間抜けなフレーズが生まれる。殊に紋切り型の表現を使うと間抜けさに陥る危険性が増す)。昨年の『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』における「このモードは、エネルギーが溜まっている分だけ、無料で遊べちまうんだ!」なんかもまさにこれで、まったく素晴らしいフレーズだった。何も間違ってはいないのだが、絶対的におかしい、という彼岸。
ただ勘違いしてほしくないのだが(誰に?)、俺はこういう、ゲームの間抜けな、雑な言葉を批判しているわけではまったくなくて、むしろ、否、完全に愛しているということだ。「無料で遊べちまうんだ!」というのは何度でもタイプしたい文字列だ。こういう種類の表現は、ビデオゲームの最もチャーミングな部分のひとつである、とさえ俺は思っている。